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シュガーラッシュのネット世界と、サマーウォーズのOZに思う未来のネット

本職はシステム屋さん、趣味でこうしてホームページやらなんやらをやっていると、創作物中に出てくるインターネットの世界の世界というものは結構注目してしまいます。
最近はシュガーラッシュ・オンライン、何年か前にはサマーウォーズと、インターネットの世界を描写した人気映画があり、それぞれ異なる解釈で描かれた楽しいネットの世界を冒険することができます。

シュガラが描いているのは、現代のネット世界。
対してサマウォが描いているのは、ちょっと未来のネットの世界。
だから単純比較はできないのだけれど、二つの世界の描写にはそれとは別の大きな違いがあります。

シュガラとサマウォのネット描写の違い

シュガーラッシュ

シュガラでは、主人公のラルフとヴァネロペが、住処である老舗のゲーセンのゲーム世界からWi-Fiを通じてネットの世界に飛び込みます。
そこは世界中の膨大な情報が集まり、そこを訪れるネットユーザが飛び交う広々とした世界。
FacebookやYouTube、Amazonなどサービスごとにエリア(建物?)が分かれていて、ユーザは目的に合わせてその地に向かったり、目的地がわからない場合はGoogleに寄って検索したりします。
サービスは分散し、目的によって使うものが分けられています。

サマーウォーズ

対するサマウォは、OZと呼ばれる巨大なWebサービスに色々なものが集約されています。
格闘ゲームも花札も役場機能もショッピングも、アカウント(アバター)を持っていればなんでもOZでできます。
公式サイトによると、

アバターとは? ― What’s Avatar? ―
アバターとはOZ上でのあなたの分身です。 服、ヘアスタイル、しっぽなどあなたの思うままに着せ替えできます。 職業についている人は現実世界と同じ権限をアバターが持つことができます。 例えば・・・ 消防士・邦彦さんのアバター → 現実世界の緊急発動令をOZから発令できる 水道局員・和雄さんのアバター → 現実世界の水道管理をOZから行える このようにOZと現実世界は密接につながっているので、アバターが盗まれると、ライフラインも制御不能な状況になってしまいます。 例えば、アメリカ大統領のアバターが盗まれると、核ミサイル発射権限も盗まれてしまうのです。

とのこと。
これだけ色々な機能を集約しているのでセキュリティは硬く、

世界最高のセキュリティ ― The world’s highest security system ―
アバターが盗まれる、という事態が起らないよう、あなたの個人情報はOZの世界一高度なセキュリティで厳重に守られています。 リラックスしてこの世界を楽しみましょう。

とまぁ割と強気な設定になっているみたいです。

私が思うに未来のネットはサマウォのOZのようになることはないと思います。

ネットの未来

まず、どんなに強固なセキュリティに守られていても、それだけ巨大な権限を持つことができる旨味の大きなサービスであれば、破ろうとする世界中の悪意あるハッカーに狙われ続け、ついには破られてしまうと思います。
世界中には技術力高い人々がたくさん存在し、セキュリティ技術の進化に負けないくらい(あるいは上回るくらい)悪意を持った人々の技術も進化しているのです。
だからきっと、破られてしまうでしょう。
セキュリティについては 「サマーウォーズ」は現実に起こるか 内閣サイバーセキュリティセンターに聞く を見た方がプロの解説が読めてわかりやすです。

それと、どのWebサービスにも「性格」というものがあります。
例えばInstagramではおすまししたオシャレを気取っているあの人だけどTwitterではおちゃらけネタキャラ全開、でもTwitter別アカウントを秘密裏に持っていて心の闇を少しずつ発散していたり…
など、サービスによって人格を切り替え、自分をプロデュースしたり素を出したりする使い方が定着していると思います。
OZには400万のコミュニティがあるみたいだけど、あっちのキャラの自分はこっちのみんなには知られたくない場合など、人格の切り分けが難しいように思います(そういうニーズにあった機能が搭載されていれば別)。

それに世界中のネット系技術者が、それぞれ自慢のWebサービスを日々開発し公開しています。
切磋琢磨し、素敵なWebサービスが増えていく方が、ネット世界も楽しいものになるんじゃないかと思っているから、一つの巨大なシステムに全てが集約された世界よりも、数多の技術者が独自の開発で個性を発揮し、それに対してユーザが集まっていくような世界の方が私は楽しいと思うのです。
TwitterもYoutubeも、最初は小さなプロジェクトだったんだと思います。
それがこんなに世界的なサービスになっているのだから、今後もそんな楽しいサービスが増えてほしいと思っています。

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