マルチ商法の勧誘の問題点を知れば、仕事で成功するヒントが見える


お金を見る子供会社のお昼休みにTwitterのトレンドを眺めていたら、「マルチ取引大手」の文字が。
数ヶ月前、個人的にマルチ商法について考える機会があり、色々と勉強していた矢先の出来事だったため、思わずクリック。
すると、朝日新聞のニュースが出て気ました。
マルチ取引大手に一部業務停止命令へ 消費者庁が方針

簡単にまとめると、マルチ業界7位の大手、水素水や健康食品などの販売会社「ナチュラリープラス」が、特定商取引法違反で消費者庁から一部業務停止を受けたそうです。
どんなことが違反されたかというと、

 関係者によると、新規の会員を勧誘する際に、販売員が氏名などを明示しなかった▽契約の概要書面を渡さなかった▽「病気が治る」などの虚偽の説明をした▽強引な勧誘など迷惑行為、などがあったという。
出展:マルチ取引大手に一部業務停止命令へ 消費者庁が方針

ネットで検索してよく出てくる、マルチ商法の悪評そのままです。
相手のことを考えず、配下の組織を築くことに夢中になる会員さんが増えてしまい、この問題に対してナチュラリープラスが十分な対策を取らなかったために、苦情が増えて業務停止命令受けるに至ったと私は推察します。

私がマルチ商法について調べたのはつい最近と言うこともあって、業務停止命令に至った例を見たのは初めてですが、強引な勧誘によって大変な思いをした人の話は検索すれば沢山出てきます。
ネット上には悪評が広がり、良い話はほとんど見かけません。
悪評を見せないために、ネットで検索することを禁止するマルチ取引会社もあるというくらい、本当にちっともいい話は見ません。

実際のところこの手のビジネスは、皆が言う悪評が全て正しいのでしょうか。
私はマルチ取引商法に関わった経験はありませんが、Google検索や本で学んだことがいくつかあります。
そのうちのひとつが、悪評で言われているようなこととはまた異なった形でマルチ取引商法を行っていて、成功している人がいるということです。

今回この記事では、マルチ取引商法が悪評にまみれてしまう原因、そのマルチ商法で成功を手にする人達について、簡単に掘り下げてみたいと思います。
(簡単とはいえ大変長い記事になりますが、よろしければお付き合いください。)

目次

マルチ取引商法は、人脈を活かしたビジネス

基本情報

まず始めに、簡単にマルチ取引商法について、ご説明したいと思います。

特定商取引法の規制対象となる「連鎖販売取引」
(1) 特定商取引法の規制対象となる「連鎖販売取引」 (法第33条)
特定商取引法は、「連鎖販売業」を次のように規定しています。
1.物品の販売(または役務の提供など)の事業であって
2.再販売、受託販売もしくは販売のあっせん(または役務の提供もしくはそのあっせん)をする者を
3.特定利益が得られると誘引し
4.特定負担を伴う取引(取引条件の変更を含む。)をするもの
具体的には、「この会に入会すると売値の3割引で商品を買えるので、他人を誘ってその人に売れば儲かります」とか「他の人を勧誘して入会させると1万円の 紹介料がもらえます」などと言って人々を勧誘し(このような利益を「特定利益」といいます)、取引を行うための条件として、1円以上の負担をさせる(この 負担を「特定負担」といいます。)場合であれば「連鎖販売取引」に該当します。
実態はもっと複雑で多様な契約形態をとっているものも多くありますが、入会金、保証金、サンプル商品、商品などの名目を問わず、取引を行うために何らかの金銭負担があるものはすべて「連鎖販売取引」に該当します。
出展:特定商取引法ガイド

マルチ商法、ネットワークビジネス、マルチレベルマーケティング(MLM)など色々な呼ばれ方をしていますが、どれも連鎖販売取引のことを言い方を変えて呼んでいるものになります。
この記事では以下「MLM」と呼称を統一することにします。

MLMで利益を出す方法

MLMは、人脈を活かしたビジネスです。
このビジネスで利益を出す方法は、二つあります。

MLMで利益を出す方法 その1
ある会社の商品を使い、それが気に入ったら販売する側に回る。
商品の口コミで販売数を伸ばして収益を増やす。

MLMで利益を出す方法 その2
口コミで広げた商品を気に入ってくれたお客さんのなかに、販売する側になりたい人がいた場合、その人を勧誘し仲間にする。
仲間は配下(ダウンと呼ばれています)となり、仲間が出した利益のいくらかを自分がもらえるようになる。

これが、MLMの基本的なビジネスモデルです。
MLMに参加する人の多くが、「その2」になるべく、仲間探しを頑張っています。
自分の配下のダウンが増え、自分がアップ(上位の人物)となれば、自分で販売を頑張らなくても、ダウンが利益を上げれば自分にも利益が入ってきます。
つまり不労所得を得ることが出来るようになるのです。
そのために日々、ダウンの少ない人達は勧誘活動を頑張っているようですが、度を越してしまうと先ほどの苦情に繋がってしまうのですね。

MLMで問題視されていること

商品は値段の割に大したことない、MLMで成功できるのは少数の上位メンバーだけである、等様々な評判がネットで溢れていますが、私が問題だと思うのは勧誘です。

強引で一方的な勧誘

MLM参加者の多くが、将来沢山の不労所得を得ることを夢見て、自分のダウンを増やそうとします。
一刻も早く、働かなくてもお金が入ってくる状態になりたくて、手当たり次第に勧誘するようです。

また、MLM下層ランクの人は、上層のランクに上がりたくて、ランクを上げるための条件を満たそうとします。
要はノルマです。
会員ランクが上がれば、売り上げに対してもらえるお金の割合が増えるそうですし、特典が受けられたり表彰されたりもするそうです。

ノルマの達成には、一定の売り上げやダウンの人数が必要です。
ダウンが少なければ、自分でノルマに達するだけの量の商品を沢山仕入れる必要があり、それらの在庫を捌くためにも買ってくれる人を集める必要があります。
捌かなければ、在庫を仕入れる為に借りたローンを返済できません。
買ってくれる人が増えたら増えたで、その人達をなんとか自分のダウンに引き入れたいと思います。
どちらにしても勧誘が必要なのです。

何をするにも人脈と勧誘が大事になってくるビジネスです。
そのため、勧誘する側にとって都合の良い、MLMのノウハウやマニュアルがあり、それに沿った勧誘を行うようです。

家族、親戚、親しい友達、ただの知り合い…
自分の人脈をフル活用して片っ端から連絡を取り、マーケティングのマの字や、セールスのセの字を知らない素人が一方的に売り込みをかけます。
やる気と必死さしかない素人が売り込みをかけても、その商品やビジネスの魅力は伝わりにくいものです。
逆にそのやる気と必死さが強引さにつながり、迷惑がられる原因となってしまうのです。
少数の野心のある人や純粋な人が、その強引さに魅力を感じたり引っ張られたりして参加します。
それがアップの成功体験としてダウンに伝えられていき、強引な勧誘をする文化が出来上がってしまうようです。

なりふり構わぬセールストーク

勘違いされやすいことなのですが、日本の法律でMLMは禁止されていません。
しかし、法律によってしていいこと、してはいけないことが決められていて、その範囲内で活動しなければなりません。

例えば、勧誘するときは前もって会社名と勧誘する旨を伝えること、医薬品で無いものについて「病気が治る」などの説明をしてはいけないこと、MLMに参加すれば必ず儲かるなどの断定をしてはいけないこと、夜の9時以降は勧誘活動を行ってはいけないこと…

そのほか沢山のことを連鎖販売取引に対する規制の法律で決められています。
詳しくは特定商取引法ガイドで確認してください。

法律でこのように色々と定められていますが、もしこれらが法的に決められていないことだとしても、基本的なルールとして守らなければ、アンフェアで不誠実なことではないでしょうか。
法的ルールがこのように定められていても、それを守らないMLM参加者による勧誘が今でも幅を利かせているようです。

MLMの参加者たちを取り仕切っている会社の運営者はきっと、法律を守っているのでしょう。
そして、「参加者たちにも守るよう、規約に書いている」と言うと思います。
しかし現実には、参加者たちによる強引で不誠実な勧誘が行われています。

どこか遠い存在である運営会社の言うことよりも、身近にいる自分のアップの言うことのほうが届きやすいでしょうし、仕方の無いことなのかもしれません。
アップは強引な勧誘でダウンを増やしていったため、ダウンにもそうするよう言います。
なので悪評の多いマルチの勧誘員はなりふり構わぬセールストークをするようになります。

「だれでもできるよ!」
(※誰でも「参加」できるが、でも誰でも「成功」できるとは限らない)

「絶対儲かるよ!」
(※断定するのは法律違反です)

「ちょっと高いって感じるかもだけど、他のどの商品よりも良い商品だから黙ってても売れるよ!」
(※それが正しければ口コミする販売員は不要。そして日本の箱ティシュは全て鼻セレブ以外駆逐されてるはず)

「人脈も増える!」
(※MLM仲間という人脈はできるけど、ダウンになってくれる人脈は自分で開拓しないとね)

「早く参加するほうが有利だよ、参加するなら今しか無いよ!」
(※じゃあ自分のダウンになる人は、タイミングを逃してるから不利ってこと、不利なことに他人を進んで巻き込む必要がある)

このように嘘ではないにしても本当のことを全て言わないセールストークが繰り広げられます。
問題点を簡潔にわかりやすく解説しているサイトもあるのでチェックしてみてください。
ネットワークビジネスの真実

強引で不誠実で、時に法を破ることもあるセールストークが、世間の悪評の元凶でもあります。
が、強引で不誠実な勧誘によって参加を決めた人はその方法を模倣するでしょうし、自分のアップから教えられた成功体験が価値観として染み付いてしまうと、中々抜け出せなくなるのでしょう。
染み付いた価値観に基づき、強引なセールストークを繰り返す。
そしてその価値観が合わず、MLMを必要としていない多くの人達から、迷惑がられてしまうのです。

MLMで、真の意味で成功した人とは

MLMの成功者、マイク・カキハラ

これだけ悪評が広がっていて、成功できそうに無いMLMですが、それでも成功を収めている人はいます。
強引な勧誘はせず、誠実にビジネスを育て、人から求められてMLMを行っている、この悪評だらけの業界で珍しく真に成功を収めた方の一人が、マイク・カキハラさん。
カキハラさんのホームページはこちら→ようこそ、マイク・カキハラのホームページへ!

カキハラさんは若い頃、勢いのみでアメリカに渡りました。
そこで出会ったMLMに参加し、最終的にいくつかのMLM会社でトップの売り上げを記録するMLM会員となった方です。
MLM会社の副社長に就任した経験もあるなど、MLMに精通しています。
その経験を著書にしたものが、「ネットワークビジネス9の罠」という本です。

本の要約は、こちらのサイトが大変わかりやすいです。
ネットワークビジネスとは?「9つの嘘」を読んで、成功者の話を鵜呑みにするのは危険と感じた事について|バイラルクラブ

この本によると、カキハラさんも始めは悪評そのままの勧誘を行っていたそうです。
そして、全く配下の組織が育たず、失敗に終わってしまいました。
しかし、凄腕の保険セールスマンと出会い、その人からマーケティングやセールスなどビジネスの基礎を教わった結果、配下の組織はどんどん育っていったそうです。
今カキハラさんは、MLMが健全なビジネスとして育つことを願い、ビジネスコンサルタントや講師として活動されています。

カキハラさんがMLMで成功した方法は、他のビジネスで成功する方法と同じ

カキハラさんは、MLMで成功するには、MLMで成功したい人達に求められることが大事だと言います。
そしてMLMで成功したい人達に求められるには、求められるような人となる必要があります。
これは、どの仕事でも必要なスキルになってくるので、学んで損はないと思います。

MLMは「マルチレベルマーケティング」の頭文字をとったもの。
マーケティングのビジネスです。
しかし、多くのMLM参加者はマーケティングをおろそかにし、「セールス」ばかりに注力します。

マーケティングをしなければ、見込み客とマッチングすることが出来ません。
全然見込み客でない人にセールスをしても、迷惑がられるだけで、後に残るのは悪評です。

もしあなたがスマホの機種変をしたいと思っているのなら、スマホに詳しい人の話はとても価値ある話になることでしょう。
しかし特に機種変をしたくないときに、一方的にスマホの話をしてくる人は、空気の読めない人です。
それと同じで、MLMに興味の無い人にMLMの魅力を語っても、参加したいと思う人はそんなにいないはずです。
MLMや起業に興味のある人に対してのみMLMの話をすれば、無駄な労力をかけずに話を聞いてもらえますし、配下のダウンとして参加したいと思ってもらえる確率も上がるでしょう。

MLMはマルチレベル「マーケティング」

MLMに興味のある見込み客に求められるようになるためには、マーケティングをする必要があります。
自分の扱っている商材や、MLMについて、競合他社も含めて詳しくなり、その分野のスペシャリストになります。
そしてその分野についての知識を求めている人に、正確にアプローチします。
相手が何を求めているのかを読み取り、客観的なデータを元にした情報を差し出せば、「価値ある情報を提供してくれる、価値ある人物」になれます。

価値ある人物の元に人は集まり、尊敬の念を抱きます。
「この人が参加しているビジネスなら、信頼できる」と思ってもらえます。
そして、自分も同じように価値のある人物になり成功したいと思った人が、見込み客になっていくことでしょう。

例えばティッシュ。
高いティッシュ、駅前でもらう無料のティッシュ、流せるティッシュ、柄つきのティッシュ、香りつきのティシュ…
世の中には様々なティッシュがあります。
花粉症の私は春は鼻セレブが手放せませんし、もしトイレをした後に個室の紙が切れていることに気付いたときは、大金を払ってでも流せるティッシュを求めることでしょう。
テーブルにお茶をこぼしたときは、高いティッシュよりも安くて数を気にせず使える安いティッシュのほうがいいですね。
私の悩みを正しく理解し、状況に合ったティッシュを提供してくれる人がもし近くにいたら、私はその人のことを大変信頼し尊敬すると思います。
ティッシュについて悩んだら絶対その人に相談します。
そしてもし、その人が自分の知識を集結させた最強のティッシュを開発して売り出したとしたら、私は迷わず買うでしょう。
箱買いします。

見込み客でない人を追い掛け回すよりも、持っているものの価値を正確に見出し、磨き、それを求めている人を集めたほうが、効率もいいですし精神的にも安定します。
これはどのビジネスでも同じです。
需要があるところに供給が生まれ、供給があるところに需要が集まります。
カイロを真夏のビーチで売っても、きっと誰も買わないでしょうが、真冬のスキー場で売ればきっとたくさん売れます。
カイロを求めて人が集まります。

カキハラさんは、自分が扱っている商材や、自分が参加しているMLMについて、これでもかというほど勉強し、その知識を求めた人が容易に受け取れる形で公開しました。
その際、自分が扱う商材やMLMをひいきしたりせず、その分野のスペシャリストとして振る舞うことで人々の信頼と尊敬を勝ち取ったのです。
そしてカキハラさんのもとでMLMをしたいという人が集まるようになりました。

システムや参加者の質が良いMLMに参加すると、マーケティングやセールスのよい勉強になるそうです。
MLMに対して偏見を持たず、いいMLMを探している人は一定数いると思われます。
そのようなMLMの需要を正確に捉え、正確にアプローチすることが出来れば、成功につながるでしょう。

お気楽にやって成功できるほど甘くないけど、頑張れば成功することも可能

MLMに対する悪評が広まる日本で、健全な組織を築こうとするのは大変労力がいると思われます。
しかしどのような仕事でも、一朝一夕のうちに成功を収めることは難しいのです。
副業としてMLMをお気楽にやって、本業を上回る収入を得ることはなかなか難しいと思います。
というより、本業でも副業でも、成功したいのなら本気でその道のプロになる必要があります。

成功のために支払わなければいけない対価や労力を思えば、気軽に副業をして稼ぎたいという大多数の人からは敬遠されてしまいます。
その大多数を何とか取り込みたいがために、強引で不誠実な勧誘をしようとする人が出てきてしまうのだと思います。

私自身のことを少しお話しますと、「ネットワークビジネス9の罠」を読みMLMについて学んだことで、MLMに対して以前から持っていたネガティブな偏見は捨てました。
実際、ビジネス初心者でも参入しやすいビジネスですし、自分の頑張りが成果につながり易い分野であると思います。
しかし今のところ私には、健全なMLMの組織を築く苦労を負う覚悟がなく、そんな半端な気持ちでは成功できないと考えているため、MLMに参加することは無いと思います。

ただ、誠実にMLMに取り組んでいる人に対して、尊敬の念を抱くようになりました。
日本に正しいMLMが広がり、悪評につながるような勧誘が無くなればよいと思うようになりました。

カキハラさんが、「健全で、かつ成功できる」と考えているMLMの参加・運営方法を始め、MLMの具体的なお話は、本でより詳しく説明してありますので、良かったら読んでみて下さい。
悪評そのままの勧誘の問題点についても、客観的で判りやすい文章で詳しく解説してあり、とても勉強になります。

MLMの悪評と成功者についてのまとめ

いかがでしたでしょうか。
世間のMLMに対する悪評は、MLMを求めていない人に対して強引で不誠実な勧誘を行う人がいるからでした。
その方法をやめ、180度方向転換し、需要に対して正しくアプローチすることでMLMは健全なビジネスになりますし、そうしようと奮闘している人がいることもわかりました。

MLMに誠実に取り組んできたカキハラさんは今、MLM業界以外の人からも注目され、尊敬を集めるようになっています。
実際、私もネットワークビジネス9の罠を読んで、カキハラさんはすごい人だなと思うようになりました。
成功者とは、こういう人のことを言うのだと思いました。
MLMで成功したい人は絶対に読んだほうが良いと思いますし、MLMに興味が無い方にとっても、成功とは、ビジネスとはどういうことかを学ぶことが出来る良い本だと思います(何より、強引で不誠実な勧誘を受けた時に、揺らがず毅然としていられるようになるでしょう)。

皆が幸せになれるよう、カキハラさんのようなMLM参加者が増え、健全なビジネスに成長していくことを願います。


スポンサーリンク
スポンサーリンク
[ マルチ商法の勧誘の問題点を知れば、仕事で成功するヒントが見え... ]本レビュー,ビジネス2016/03/08 23:05