一般人の私がマルチ商法のセミナーに行ってみた


マルチ商法(マルチレベルマーケティング、ネットワークビジネス、MLMとも。以下当記事では呼称をMLMに統一します)は、日本では合法でありながら違法な勧誘などが横行し、色々と問題のあるビジネスです。
資産の少ない一般人にとっては夢を見せてくれるものであることも事実です。
当サイトの人気記事「マルチ商法の勧誘の問題点を知れば、仕事で成功するヒントが見える」を読んでいただければわかる通り、誠実にMLMの活動を行い成功されていらっしゃる方も存在します。

ただ、誠実な活動の範疇でMLMの成功者になるためには並大抵の努力では難しいということが実際の現実だと思います。
私は色々とMLMについてインターネットや本等で調べた結果、自分には向いているビジネスではないと判断したため参入の予定はありませんが(ITの分野で身を立てることを夢見ているのもある)、生のMLMの活動等を目の当たりにしたことは無いに等しく、若干の興味を抱きつつ普段通りの生活を行なっておりました。

そこにある日、共通の趣味を通じて知り合った一人の女性(以下友人A)とふたりで居酒屋に行った際、「自分がMLMの会員であること」を打ち明けてくれました。
友人Aは私の書いたMLMの記事を読んでくれていた方で、内容を気に入ったと言ってくれました。
友人Aは私に無理な勧誘をすることなく、普段どういった活動をしているかや、将来についてなどを楽しく話してくれました。
とても誠実で信頼できると感じたため、私は友人Aと今後も友達でいたいと思いました。

そんな彼女の誘いで先日、あるMLMのグループのセミナーに参加することとなりました。
その時の様子を、フェイクを混ぜつつですがお伝えして行きたいと思います。

目次

セミナーの前の様子

ある日の午後、私と友人Aは渋谷で待ち合わせをし、連れ立ってとあるビルの一室に向かいました。
学校の教室よりも少し狭いくらいの部屋にはいくつかの机が並べてあり、その席は全て埋まっていました。
座りきれない人たちが部屋の後ろの方に並べられた椅子に座っていました。

友人A曰く、こんなに人がいるのは珍しいとのことでした。
私は早くから来ていた友人Aのおかげで机がある席に着席することができました。

セミナーが始まるまでの間、友人Aはグループの知り合いと挨拶をしていました。
私はこのセミナーの様子を忘れないよう、筆記用具の準備をしていました。

セミナーを聞くに当たってアナウンスされた注意事項

セミナーの開始時間となり、一人の男性がアナウンスを開始しました。
まずその男性は、「このセミナーは〇〇(MLMの会社名)のセミナーです。ここにいる方で会員でない方は、会員に誘われて当セミナーにいらしたと思いますが、誘われた際に『絶対に儲かる投資講座』などと異なる説明を受けて来た方はいらっしゃいませんでしょうか」
といった趣旨のことを言いました。

法律上、MLMの勧誘の際には事実を伝えなければいけないという決まりがあり、それを破る会員がいないようかなり慎重になっている印象を受けました。

男性はまた、「このグループは信頼できる人たちだけを会員として勧誘して集めて活動しており、会員たちにも信頼できる人にこのビジネスを広げるよう言っている」といった趣旨のことも言いました。
確かに友人Aは世間一般の悪評にまみれた勧誘は一切して来ませんでしたから、このセミナーの会員たちは手当たり次第騙し騙されの勧誘は行なっていないんだなと思いました。

最後に男性は、受講の際のルールとして

  • ケータイ・スマホの電源は切ること
  • 録音・録画の禁止

を挙げました。
私はiPhoneの電源を切りました。

講師登場

これらの確認事項をアナウンスし終わり、最後に男性は今回のセミナーの講師を紹介しました。
講師はそのMLMグループの上位の会員で、ものすごくかっこいい称号を持っている方でした。

大学を卒業後、証券会社に就職しエリートコースを突き進んでいる中、友人からMLMの勧誘を受けセミナーに参加。
現在は年間に何十億もの利益を上げる方で、上場企業の社長になることを目標に様々なビジネスを行なっているそうです。

ざっとこのような紹介の後、高そうなスーツに身を包んだ講師が登場しました。
(余談ですが、その日のセミナーに講師の息子さんがいらっしゃっていたのですが、とてもイケメンでした。彼も会員だそうです。)

いよいよセミナー開始

必殺!誉め殺し

講師の方は改めて自己紹介をし、その後セミナーの本題へ入って行きました。
最小の方を聞いていて思ったのが、「この人、とても参加者を褒めるなぁ」ということでした。
褒められた内容としては、以下の通りです。

  • このグループの会員はみんな誠実で信頼できる人だ。そしてその会員にも連れて来る人は誠実で信頼できる人だけにするよう言っている。つまりここにいるのは誠実で信頼できる人たちだけなのである。
  • このようなセミナーに来るということは、将来について真面目に考えているということでとても先見性がある人だということだ。

などなど…このセミナーに来た人は賢いといったニュアンスのことを複数回言われたように思います。
確かに、このグループは信頼できる人を集めているようだし、MLMについてのセミナーを聞いてみようとする人はお金や将来について考えている人でしょうから、言っていることはほぼ合っているのだと思います。
ただそれを繰り返し伝えて来るところを見る感じ、参加者の心を掴むために意図的に褒める言葉をかけているのかなと言う印象を受けました。
話術に長けていますね。

キーワード「先見性」

このセミナーのキーワードはずばり「先見性」であると感じました。
人生で成功するチャンスはそこら中にあるわけではないから、そのチャンスをいち早く掴むために先見性を持つことが重要だそうです。
常に50年スパンで時代を読むことが大事だそうです。
経済は70年スパンで変動しているそうです。

それで、今は転機となる時期に来ているそうです。
今まで人間が行なっていた仕事が、どんどんロボットやAIがとって変わっていき、今までの仕事が色々と置き換わったり競争が激化していく時代になると。

例えば、FXなどは自動取引を行うAIが発達しており、とても人間には到達できないほどの利益率を誇っているということ。
信用金庫や地銀など、地域に根ざした金融機関は、スマホの普及によってその存在意義が薄れて来ているということ。
そのほかにも医療や農業など、様々な分野でテクノロジーが目覚ましい活躍をしていること。

これに関連して、これから就職する子供達はAIに取って代わられにくい士業の道を進む人が増え、結果的に士業の人口が増え競争が激化していくということ。

まだ今はテクノロジーが普及していく段階にあるため、これまで通りの理屈が通用するが、今後近い将来には大きく世界がわかっていくのだそうです。

だから、大事なのは先見性、とのことでした。
このままただ今まで通りの生活や仕事をしているだけでは、この先安定など手に入らないと。

とても説得力を感じる内容で、将来について若干の不安を覚えました。
セミナーの最初で「自分は賢い人なんだ」と思いテンションが上がった後にこれですから。
「このままじゃアカン、せっかく賢い自分なんだから、どうにかして生き残らなきゃ」と思うわけですね。

これからのビジネスとは?からの…

先見性を持って、AIやテクノロジーの時代の先を読むと、次に来るのは「アンチエイジング・ゲノム」の時代のだそうです。
つまり、健康に生きること。
テクノロジーがどんなに発達しても、人間が最終的に求めるのは健康的に長生きすることだからだそうです。
そのため、サプリメントや質のいい化粧品を用いて自分の健康に投資する時代がやって来るそうです。

また、どんなに不況になっても、日用消耗品は生きていくために必要になるため、ビジネスとして無くなることはないとのことでした。
食べ物、飲み物やトイレットペーパー、髭剃りや化粧品、生理用品などですね。
有名投資家であるウォーレン・バフェット氏も、不況に備えて髭剃りメーカーの株をたくさん所有しているそうです。

なのでこれからビジネスを始めるには、健康に関することと、日用消耗品に関することが最適だそうです。
実はこの二本柱は、ここのMLMが扱っている商材にも繋がります。
つまりはここまでのお話はすべてこの二本柱へと繋げるための導線なのでした。
直前の話で「このままじゃアカン」となっても、「これからやるべきことがわかった!」となるわけです。
本当に話術というか、色々とすごいなあと感心しました。

まとめ

このセミナーの最後に、いくつかの商品の紹介や、このMLMグループでの制度やランクなどの説明を受け、終了となりました。

今回のセミナーの最終的な目的がおそらく会員を増やすことであるでしょうから、そのための話の流れになることは当然だと言えますが、それを抜いてもなかなかためになる話が聞けたかなと思いました。
講師の方が元証券会社で現MLMの成功者であるのですから、ビジネスや投資のスキル、そして先見性は並大抵のものではないでしょうからね。

また、目的を達する(この場合、グループの会員を増やす)ための話術という面でも大変参考になりました。
相手を褒める→若干の不安を抱かせる→解決法を提示
この流れは営業の王道ではありますが、こうして上手い人のしゃべりを聞くと素直に感心しますね。

いいMLMグループに入れば、誠実なビジネスの進め方や、先見性をの磨き方、相手に伝えたいことをうまく伝えるトークスキルなども色々と指導してもらえるみたいです。
私には決めた道があるため、このセミナーを終えてからもMLMに参加しないという気持ちに変化はありませんでしたが、今回のセミナーを開催したグループは無理な勧誘や必要以上(←ここ大事)の不安を煽るといった不誠実なことはせず、誠実で信頼できるグループであると思いましたし、誘ってくれた友人Aにはぜひ成功して欲しいと思いました。

その後友人Aに頼んで、そのMLM会社の化粧品を買わせてもらいましたが、これについてもまた記事にしたいと思います。


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[ 一般人の私がマルチ商法のセミナーに行ってみた ]自己啓発2017/05/28 13:36